映画ボヘミアン・ラプソディが日本で2018年11月9日に公開されてから、いくどとなく友人に
「ボヘミアン・ラプソディは早く見たほうがいい」
と言われ、気になっていたが、年末年始の忙しさが落ち着いた2019年1月19日に映画を見に行ってから、「もっと早く見るべきだった…!」と後悔するほど、どハマりをしてしまった。
それからというもの、一人で映画を見に行ったり、映画のサントラを買ったり、会社の人からQueenのCDやDVDを借りたり、はたまた、本まで買い出したりと異様なハマり方をした。
(買った本たち。全曲の歌集(日本語訳)や、伝記)
そんな中、やはり映画のラストに流れる、LIVE AIDの映像は格別だ。映画を2回目に見たときはQueenの熱狂に思わず涙したくらいだ。今日はそんなLIVE AIDを徹底解説したい。
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LIVE AID(ライブエイド)とは?
ライブエイドとは「1億人の飢餓を救う」というスローガンのもと、「アフリカ難民救済」を目的として、1985年7月13日に行われた20世紀最大のチャリティコンサートである。しかも、このライブエイドが色々すごい。
まず、同時中継の多さである。衛星同時生中継を世界84カ国に流すという、当時としては最新技術の限界に挑むような試みがされている。しかも、観客数は72000人の超ビックステージ。とにかく規模感が半端じゃない。
また、出演者は超有名なスター級のバンドが呼ばれており、彼らにギャラは払わず、無償でライブをしている。
彼らがライブに出る役割は、自分たちのライブでいかに観客を魅了し、「1億人の飢餓を救う」というスローガンのもと用意された募金電話に電話をかけてもらうことだった。
Queenのライブエイド映像
Youtubeに映像があった。この映像を見てわかるように数えきれないほどの観客が一つになり、Queenの音楽に魅了されている。本当に素晴らしい。
曲順も、多くの人が知っているメジャーな曲を筆頭に、Queenといればこの曲!といえる選りすぐりの曲が選ばれている。
1曲目:Bohemian Rhapsody(00:36)
明日の今頃 僕が帰らなくても 何もなかったかのように 生きていってね
もう遅いよ もう終わりなんだ 体が芯から震えてる
ずっと体に痛みが走ってるんだ みんなさようなら 行かなくちゃ
みんなと別れて 現実に向き合わなきゃ
ママ 死にたくないよ 時々おもうんだ 生まれてこなきゃよかったって
ピアノから始まり、「ママ」という呼びかけから始まる曲。ピアノの旋律についつい引き込まれる。2回目映画見たときにこの曲を聴いたときは、思わず涙した。それくらい心揺さぶられる歌だ。
2曲目:Radio Ga Ga(02:42)
全部ラジオから教わった お前はたくさんのスター達を生み出した
「火星からの侵略戦争」で 俺たちを笑わせて、泣かせてくれた
空も飛べるような気持ちにさせてくれた だから、ただの雑音になるな
若者に聞き流される存在になったらダメだ 普段はお前は歯芽にも掛けなないくせに
いざお前がいないと文句を言うような若者に ラジオの時代があった、ラジオには力があった
この曲を聴くとラジオを聴きたくなる。そして観客とのボルテージも上がってくる。単純に力が湧き出てくる。そんな曲だ。
ラジオに対するQueenの想いが伝わってくる。ラジオ、お前はまだまだいけるぞ!という熱い思いが。ラジオのステレオタイプを覆してくれそうな、そんな面白さがある曲だ。
3曲目:Ay Oh!(06:53)
曲というか、観客とフレディ・マーキュリーとの掛け合いだ。
この周りを巻き込むフレディの偉大な力こそが、Queenが伝説と言われる所以かもしれない。
4曲目:Hammer to Fall(07:34)
一瞬も無駄にするな ベルが聞こえなくても 通話には出よう
誰にでもやってくる ただ待っているんだ 鉄槌が下されるのを
毎晩、毎日 君の小さな欠片が吹き飛ぶ でも西洋流に顔をあげ 衰退する権力を築きあげろ
規則に従いゲームしよう 名前が呼ばれる日まで
麻酔で感覚を覆い隠すんだ わかるだろ 鉄槌が下されるときなのさ
この曲の歌詞を担当したブライアン・メイは「生と死についての曲で、おれたちの生活には氏が隣り合わせだ」と語っている。きのこ雲を意味する言葉が曲内で使われていて、米ソ冷戦時代のことを思わせるような曲である。
ここでいう死とは、冷戦中の核(Hammer:核兵器)戦争でなす術もなく死んでしまうのではないかといったことを訴えかけているのではないかという考察もある。
歌詞を知らないと明るくノリの良い曲に聞こえるが、実は重いテーマを扱っていたりするのもまた面白い。
5曲目:Crazy Little Thing Called Love(12:08)
愛と呼ばれるものは、自分ではどうしようもない 愛と呼ばれるものは、余裕を見つけなきゃいけない
俺の手には余る 愛と呼ばれる このちっぽけでおかしな奴は
これを愛と呼ぶ それはゆりかごの中で一晩中 泣きわめく
刺激的で 嘘みたいないいかげんな話で いたるところでクラゲのように揺れ動いている
先ほどの曲では戦争を思わせる深いテーマだったのに対し、愛とは何かというのをキャッチーな感じで歌に乗せて歌っているあたりもまた面白い。いろんな曲を作り上げて変化をしつづけたことが、Queenを伝説呼ばせた所以なのかもしれない。
6曲目:We Will Rock You(16:03)
おい 騒いでる少年よ 今は道端で遊んでいるが いつの日か 大物になるんだろ?
顔に泥なんかつけて しっかりしろ! あちこちで 好きなようにやってみろ! さぁ歌え!
「俺たちは世界をあっと言わせるぞ」「俺たちはやってやるぞ!」ってな
この曲は割とQueenを知らなくても知っている人が多いはず。ズンズンチャ、という足と手のリズムにのせて、観客も曲に参加する。この一体感と熱量はQueenをまた好きにさせる。
7曲目:We Are The Champions(17:18)
代償は払ってきたさ 何度も 何度もね 報いだって受けたさ 別に犯罪を犯したわけじゃない
まぁひどいミスを いくつかしたことはあったけどね
砂を 顔に 蹴りかけられたこともあったさ だけど 俺は 乗り切ったんだ
俺たちはチャンピオンさ そうだろ、俺たちは 戦い続けるんだ 終わりまでね
圧倒的な自己肯定をさせてくれる。勇気をくれる、やる気をくれる。そんな一曲。
この曲を聴くと、挑戦することが楽しく思えてくる。前向きになれる。そんな一曲。
8曲目:Is This The World We Created...?(21:12)
多くの飢えた口に食べ物を与えなくてはならないことを考えてみて
自分たちが産んだ苦痛の全てを見てごらん
本当に多くの孤独な顔が世界中に散らばっている 必要なものを捜し求めて
これが俺たちが創った世界なのか、一体何のために僕たちは
これが俺たちが占領した世界なのか、法に反して ということは結局
このために、今日俺たち皆が生活しているのか 自分たちが創った世界
ライブエイドにふさわしい曲。しかもこの曲は夜に歌われた。昼間の盛り上がりとは一層深みを増してくれる。さすがQueenといった曲。
ここまで味わってライブエイドであることを忘れてはいけない。
『ボヘミアン・ラプソディ』は何度見ても面白い。
一回目見ただけではそのすごさはわからなかった。一回目の最後にはQueenの偉大さを知った。二回目に見たときには、フレディの父との「良い行い」に泣いた。三回目見たときには、フレディのことをもっと知りたくなった。見れば見るほど新たな発見を与えてくれる。
そんな映画が「ボヘミアン・ラプソディ」本当に見てよかったと心から思える映画だった。
ひよこん
このブルーレイはまじでおすすめ。ライブエイドも入ってるし、全盛期のQueenのライブが見れる。しかも副音声でメンバーの解説音声が付いている。5度楽しめる。
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